メダロット第23話「風と火の記憶」感想。

今回はシリアス一辺倒で、いつもとはかなり毛色の違うお話でした。
過去の辛い思い出に関する今の自分の取るべきスタンス。アイカさんの境遇を自分のそれと重ねることで、ロクショウの物語の新たな契機が生み出されるわけです。安息の象徴であるところのケヤキの木、それが燃やされるという自体が再現前することによって、とまっていた時が再び動き出すのではないかなぁ。つまり、ここでロクショウケヤキの木を守りきったとすれば、一つの単発エピソード、哀愁を含んだハッピーエンドとして完結するわけなんですが、ここであえてその木を燃やしたというのは、ロクショウの過去に起きた事件との連環で、新たなシナリオを展開させていくという製作側の所信であるように感じます。アイカさんの物語は、夫との写真によって完結せられましたが、ロクショウのこれからの旅路はその写真に相当するもの、一種の拠り所を見つけるたびになるんではないかなぁ、と予想します。
こういった悲しげなシナリオの中に挿入される変わらない日常、すなわちイッキとメタビーの競争みたいなものがまたいいですね。日常感と非日常感のコントラストが素敵です。
ロクショウが一緒に暮らしていたという教授ですが、確かにメダロットの理論は自然に対して敬意を払っていないと作れないシステムなのかなぁ、と納得。そういった観点で、自然という大きな連環の中でのメダロットの自我、レアメダルの秘密という物語が展開されていくのでしょうか。