メダロット第25話「激突! メタビー対ロクショウ」感想。

本当に良いです。
第23話を契機として動き出したロクショウの物語、過去を背負いつつ旅をするロクショウは、まさに喜怒哀楽の"哀"の象徴です。ロクショウの失われた過去の安息の時、その描写は非常に泣けるものがあります。思うに、作品において戦いとは、喜怒哀楽のぶつかり合いです。そのロクショウがロボロボ団の策略によって、"怒"の属性を獲得する。対してメタビーはロボトルを心から楽しみ、勝利を得ようとする"喜"と"楽"の象徴です。ここにおいてメタビーロクショウの戦いでは、その喜怒哀楽のせめぎあいそのものが対決として具現化されるわけで、戦いの中では最も心を打つ種類のものだと思います。ここにおいて私は、"怒"と"哀"の感情に物語としての重要性を感じ、そのカタルシスに美を見出すタイプですので、本話のロクショウに対しては言葉では言い表せない感慨のようなものがあります。その怒りと哀しみの化身であるところのロクショウを、喜びと楽しみによって啓蒙しようとするメタビーもまた、非常に良いなぁと思うわけで。ここに来て、カタルシスはマゾヒスティックな悲劇状態、または反対に悲劇的なものからの開放を意味しますが、実はその本質は喜怒哀楽が互いに弁証法的に止揚しあったときに生まれる輝きなのではないかなぁ、と思い至りました。そしてそれは外面的には先述の悲劇状態や開放に見える、と。なんか新しい発見をしたような感じです。
そしてメダフォース発動からビーストマスター登場。いよいよクライマックスという感じになってきましたね。