銀河漂流バイファム39〜42話感想

間が空きましたけどバイファム感想。忙しいので簡単めに。
まず39話。メインはスコットとクレアのからみですよね。いくらなんでもスコットのテンションが高すぎてちょっと違和感を感じるなぁ、ただ、胸を触ってしまった後、クレアを過剰に意識するスコットの描写が良いですね。あの年齢の男子はあんな感じですよね。んで敵襲。あのガンテツというおっさんは一体なんだったんでしょうか。結構なインパクトで登場したのに一瞬でやられてしまって…。ミューラァがバイファムの操縦者が子供であったことに驚く描写。お約束ですが必須ですね。これがないと話がつながりません。
40話と41話。ジェダさんの組織と合流した子供たち。その際にミューラァも捕虜にします。やっぱりこの回はミューラァメイン。ミューラァが混血であることは以前明かされていたものの、子供たち(というかロディ)にとってはファーストコンタクト。さらにミューラァの育ての親により、彼が戦災孤児であり、彼も戦争の被害者であるということが強調されます。尋問のシーンではゲリラにとってもロディたちが部外者であることが描かれていて印象的。通信施設とそこへの敵襲についてはあまり印象に残りませんね。43話の地球軍降下もこれとは関わりないみたいですし。戦闘を入れなきゃならなかったからでしょうか。次いでミューラァがカチュアを人質に脱走を図ります。ここで、カチュアの両親がククト星にいないこととカチュアがミューラァと似たような境遇(クレアド星侵攻で両親を失った)ということが明かされます。容赦なくカチュアを人質にとるミューラァは、地球人とかククト星人とかの問題でなくやっぱ軍人だなぁ、という印象を受けます、それもかなり冷徹な。他作品ではミューラァのようなポジションのキャラは子供が相手だと少なからず動揺し躊躇する者が多く、ともすれば子供を人質になどすれば、悪役一辺倒のキャラであるという印象を受けてしまいます。俺もミューラァが子供たちとコンタクトした時は動揺するであろうとの予想を持っていました。そういった表現ができるという点でも混血だというのは大きいですね。カチュアごとミューラァを殺そうとするジェダさんたち。ここはちょっと違和感が。サブタイトルのわりにそこまで重要じゃなかった気がしますし、ジェダさんがカチュアを巻き添えにしようとするのも流れ的にはちょっと…。ロディvsミューラァ。まず、混血児であるがゆえに多くの苦しみを味わったミューラァと、ククト星人でありながら地球人とは大切な仲間であるカチュアの対比が印象的。ミューラァの「俺がどんな思いで生きてきたか」や「二人は愛し合っていても子供にとってはいい迷惑だ」といった台詞は本当にハード。バイファムというキャラ描写に関して必ずしもハードでない作品の中で、人質の件や先の台詞、また混血児ゆえの苦悩などミューラァの存在は異彩を放っています、バイファム好きな人にとっては賛否両論が分かれそうな感じですね。俺は好きです。こういうの。異星人との混血といえば私的にはレイズナーの主人公、エイジ。グラドス人として育ったエイジがその地球人の血を肯定し、ゆえに祖国を裏切り、地球を守り抜こうとしたのと、ミューラァが地球人の血を否定しあくまでククト軍人として生きようとしているのは一見対照的ですが、どちらの行動も混血ゆえの業によるものだといえるでしょう。この両者の描写を見比べて、どちらが見劣りするというわけでなく高いレベルで拮抗しているのが80年代のサンライズさんの凄いところ。
最後に42話。まずサブタイトルが「パパ!一瞬の再会」となっているのがポイント。結論から申し上げますと、サブタイ通り子供たちの両親との本格的な再会は先送りになります。ある程度サブタイでネタバレすることによって話中の父母に会えると喜ぶ子供たちの描写が泣けるものとなります。素で悲しいですよ、これは。両親と再会できなかったのが敵のためではなく、やっと来てくれた地球軍のためであるというのも本当に皮肉。話を引っ張るための演出というのは分かっていても、すごくくるものがあります。脱帽するしかありません。シャトルが離陸する瞬間に娘の姿に気づくクレアの父親なんか、ベタやけど本当に辛い。父親がなんと叫んでいるのか、視聴者にも聞こえないというのがまた演出効果を大きくしていますね。カチュアは両親に会いに行かず仲間たちと行動を共にすることを決めた模様。前二話で必死に両親の行方を聞きまわっていただけに、内心でどう思っているのかは非常に興味深いところ。にしてもジミー強いなぁ…。健気だ…。
今回はラス前一巻という事で物語りも佳境に入ってきましたが、今回は本当に良い。スコットのテンションに違和感を感じたことを除けば、バイファム本来の姿である子供たちの描写も異端であるミューラァの描写もほんとうに素晴しかったです。