キン肉マンⅡ世 アルティメットマッスル2第02話「恐怖!処刑執行X(パニッシュメント・エックス)リング」感想。

前回はアニメ特有のテンポのせいでくだらないギャグが強調されてしまっていましたが、いざ試合に突入するとなかなかに好感触。アニメーションゆえに動きがわかりやすいですし、テンポも良い感じだと思います。内容に関しては原作で既に読んでしまっているので特に新鮮に感じたことはありませんが、やはり「正義超人軍団によるヒカルドの否定」は酷いと思います。初代キン肉マンでは「悪も友情パワーで正義になれる」というスタンスでしたが、ヒカルドといい再生アシュラマンといい、二世のこのあたりは「悪の血には抗えない」というスタンスに何故かなってしまっている。ゆでたまご先生に思想・信条の変化でもお有りだったのでしょうか。そのわりにはハンゾウマルス(スカーフェイス)はバッチリ正義超人になっていますし・・・。再生アシュラマンの部分は正義超人が否定したわけではなく、その悲劇性は際立つものがあって完成度も群を抜いていたので大好きなのですが、ヒカルドの部分は流石に欺瞞である印象が拭えません。そういうわけでヒカルド自体は好きなのですが話の印象はすこぶる悪い・・・って前回記載させていただいた感想と何ら変わりないですが、今回気づいたのは「"正義"を志向しているが自分を見失ったら"悪"になってしまう、そうして正義とアクトに拘りすぎることで自滅してしまう」というヒカルドはタイガーマスクそのものではないかということです。梶原先生はそんなタイガーマスクの被虐を主人公側に持ってきていますが、ゆで先生はこういうのは常に相手側に持ってくる人なんだなぁ、ということを実感すると共に、パニッシュメントXリングも含めて対ヒカルド戦はタイガーマスクのオマージュ臭が強いぞ、ということを思ったり。対ヒカルド戦は"二重人格的レスラーであるタイガーマスク"を相手側に持ってくると共に、相手側に持ってこられたときのタイガーマスクの可能性を探ってみる実験であった(結果的にキン肉マンという作品とあまりに矛盾しており失敗というほかありませんが)というのは少々穿ち過ぎた見方でしょうか。何にせよ、ヒカルドという超人が神髄に到達するのはタイガーマスクと同様に、正義と悪、"サブミッションアーティスト・ヒカルド"と"ロード・オブ・ダークネス・ヒカルド"が矛盾無く融合できた時なんだろうなぁ、と思います。今の話がちと受け入れがたいだけに、ヒカルドの再登場にはホントに期待してます。
今回はアニメ版の感想でないどころか、前回の焼き直しになってしまいました・・・。