第三話「彼の名はエイジ」。
レイズナー勢が登場。ひゃっほう。「エイジがいくら混血だとはいえ、祖国を裏切ってまで見ず知らずの地球を助けに来るだろうか」というレイズナー最大の矛盾が暗に皮肉られていてなかなか。エイジって一見、優等生的なキャラに見えますが、そういう点を勘案すると「物凄い変人」なんですよね。レイズナー本編では同胞であるグラドス人をともすれば殺さなければならないことへの葛藤については精緻に描写されていましたが、曲がりなりにも祖国であるグラドスを裏切ったことについての葛藤はあまり描写されていない。裏切った、という意識は本人も持っていますが、割り切りすぎという感は否めません。ま、個人的に気になるのはそこくらいで、全体的には本当にソツの少ない話ですし私、レイズナーもの凄く好きなんですけれどね。思い入れが強く、本編について語ってしまうと本当に際限がなくなってしまうのでゲームのお話。
コズミックカルチャークラブの皆とエイジが分かり合った後での参戦、というのは少し残念。分かり合うまでの過程がレイズナーの肝といって過言ではないですし。まぁシナリオの都合上仕方が無いですね。また、木星蜥蜴はグラドスの尖兵だ、ということですが、これは「グラドスが木連と結んで、というか木連を焚きつけてお互いの戦力を消耗させ、漁夫の利を狙う策をとった。グラドス本隊はエイジの追討のためやむなく出動。」ってことにするのかなぁ。ナデシコの大きなポイントである「実は木連は地球人だった」というのを外すとも思えませんし。これならば非常に妥当、というか私ならばこうするぞって妄想なのですけどね(笑)。
個人的にはレイズナーナデシコ、全く毛色の違う作品ですが、競演はさせやすいだろうなぁ、と思っていました。火星ネタでシナリオを組み合わせやすいですし、テーマ上も共通点があるので。今のトコ思ったとおりかなぁと感じます。ただしレイズナースパロボには登場させにくいなぁ、とも思いました。SPTの地球側兵器に対する圧倒的優位性というファクターがない限り(むろんスパロボでは不可能)、グラドス側の行動が微妙なものになってしまいますし。
この面、ナデシコにおいても大きなポイントである「ヒーローの否定」の場面もあるのですが、ライターさんの文章力が微妙な感じ、場面展開が速すぎますし話の前後関係がわかりにくいです。今回は文体にも違和感があります。個人的にはスパロボにはシナリオ面は求めていないので問題ないといえば無いのですが、シナリオが良いに越したことはありませんよね。作品間のクロスオーバーはなかなかに良いのですが。
戦闘パートではゲイル先輩が登場。それとカルラも。ゲイル先輩はエイジで説得可能。ホントに興奮します。ゲイル先輩を撃破すると残敵が撤退し、増援として我らがゴステロ様が現れます。本編ほどのインパクトは当然ありませんが。難易度としては割と面倒かなぁ、といったところ。味方SPTは回避率こそ高いものの防御力に難があります。というか十数パーセントの命中率で三回ほど攻撃を当てられました。何回かリセットしたのでだいぶ時間を消費してしまいました。
以下は今回見られた各SPT戦闘デモの感想。

  • レイズナー
    • レーザードライフル:背中のラックからライフルを取り出し、両手持ちで三発発射、一発発射するごとに機体がクルクル旋回します。これぞレイズナーという感じの動き。メチャメチャカッコイイです。レーザードライフル独特の発射音や質感が十分再現されてないのがちと残念です。
    • ナックルショット:サック部分展開の動作もきちんと再現。数発殴りつけて最後は打ち上げ。バルディとベイブルのナックルショットの中間に当たる動作です。
    • カーフミサイル:右と左を同時に発射。尾翼の展開など、動きは完全に再現されているのですが、ミサイルを発射するに過ぎませんからインパクトは薄いです。原作では右と左、それぞれ一発ずつしか発射できないはずですが、それではあまりにも使い勝手が悪いということでしょう。左右同時発射が四回使用可能となっています。
  • ベイブル
    • レーザードライフル:片手撃ちで旋回はしません、シンプルですがスピード感は十分。
    • ナックルショット:流石に白兵戦用SPTだけあって、ナックルショットのエフェクトは味方初期三機の中で最も派手になっています。レイズナーの動作に加え、打ち上げた後に叩き落します。
  • バルディ
    • レーザードライフル:ベイブルとレイズナーの中間に当たる動き。両手持ちですが旋回はしません。三発目を発射する際の姿勢制御動作がカッコイイです。
    • ナックルショット:最もシンプル。レイズナーとの違いは打ち上げずに相手を貫きます。貫く際のエフェクトが非常にナックルショットっぽいですし、個人的にはレイズナーのそれよりも好み。
    • ショルダーキャノン:高威力だということは表現されているのですが、あまりにもビームが太すぎて多少違和感があります。長距離射撃ということで機体本体の動作が少ないので印象は薄め。
  • ブレイバー
    • レーザードライフル:量産機ということでシンプルなものになっています。スピード感は十分。
  • グライムカイザル
    • ナックルショット:ベイブル並に派手。途中キックっぽい動作も挿入されたような・・・。
  • ブルグレン
    • レーザードライフル:体を開きながら片手撃ち。これもスピード感あり。

ベイブルには補給装置、バルディには修理装置が搭載されています。違和感はありますが、グラドス・トライポッドキャリアが登場していないので仕方ないといったところ。全体的によく動き、なおかつ長すぎませんから非常に好印象。まさかスパロボ、それも携帯機でレイズナー特有のクルクル廻る動きが見られるとは思いませんでした。同じ武装でも機体ごとに動作が細かく違うのも非常に嬉しいです。ディマージュのデモは見忘れました。残念。
それとBGM。「メロスのように -LONELY WAY-」なのですが、原曲と比べてテンポが速すぎる感があります。GBA音源ですから迫力はあまり無いです。コレはハードウェアの限界ですし仕方ないでしょう。曲名表記が「メロスのように」だけなのは不満。ちゃんと「LONELY WAY」も入れてくれないと(笑)。
初期型GBAですと目がしんどいためあまり続けてプレイできないのが難点。ただし今回GBAを久方ぶりに使用してROMカセットの長所を実感することが出来ました。64メインで使っていたころはロードが無いのが当たり前で、「容量小さいし任天堂がROMカセットにこだわったのは失敗だった」と思っていたのですが、PS2に慣れた頭でGBAを使用するとなんと快適なことでしょう。データ容量がゲームの面白さに必ずしも比例するわけではありませんし、今でしたらROMカセットにこだわった任天堂さんの意識を高く評価できます。スパロボのようなキャラゲーについては音声が入れづらいのが難点ですが、今回はレイズナー勢に限っては私の脳内で音声が勝手に再生されるので(笑)、問題無いと言えば無かったりします。
忘れるトコでしたがツメスパロボ三話。こちらもレイズナーですね、最高。防御補正が低いほうの地形にいるバッタに攻撃すればオッケーです。レーザードライフルとナックルショット、どちらでも可。