機動戦士ガンダムSEED DESTINY第46話「真実の歌」感想。

えっと、しょっぱなのアスランとキラの会話ですけれども、アスランミネルバにいたときから「キラがシンに負けるとは思わず驚いた」のですか・・・。負けたらシンが無事であるとも限らないのですが。せめて両方を思いやってくれるんならまだ救いがあるのですが、キラばかり思いやるといのは流石におかしいよなぁ。少なくともこの場でしみじみと語る話ではないと思うのですが。
また、「アークエンジェルを攻撃したことで議長はおかしい」と思ったそうですが、アスランは以前キラに対して「戦場を混乱させているだけだ」と言っていませんでしたっけ。それがわかっているのにそこで疑問を抱くのは矛盾していると思うのですが。お願いですから行き当たりばったりで構成しないでください。
それと「シンは夢に向かって云々」、この間のオーブでのシンに対する「オーブを撃つな」というのもそうなのですが、台詞単体としては完全に正しくないというものでもないのですが、アスランにいけしゃあと言わせる台詞ではないと思います。理由はどうあれ、アスランは心の底では信頼していたシンたちを裏切り、シンを苦しめたことは事実。そのアスランがシンの決意を否定し諭すというのは、そういった過程を全く踏まえない言動ですし、相手にはホントに「死に損ないの裏切り者め」としか思われません。今回のシンについてのアスランの言も呵責は全く無いのかなぁ、と思ってしまいます。
また、キラは「ザフトを撃っていいのかわからなかったから本気ではなかった、だから落とされた」らしいのですが、それが本当か負け惜しみかどうかはともかく、この世界の戦闘ってシナリオを書かれている方にとってはホントにプロレス程度のものなんだなぁ、と感じました。作品世界中では曲がりなりにも戦争なのです。プロレスは四角いジャングルの上でやるからこそ面白い。
曰く「議長の言っていることは正しい」そうなのですが、何故反抗しているのでしょうか。「正しい、けれど〜」と続かなければ日本語として全く通じません。「〜」にあたる部分がこれまで一度も描写されていないため、ホント何がしたいのか伝わりません。言葉の表面的なかっこよさだけで台詞を作るのはホントにやめて頂きたいです・・・。
これ以降のシーンは得体の知れないモヤモヤ感があり、あまり言及したくないです。
ですが一つだけ気になったのはこのエピソード、ラクスたちが不用意にザフトの勢力圏をうろうろしなければ起こらなかったよなぁ、ということです。キャラクター単体が良い悪いというよりも、文芸が投げやり極まりない。ラスト5話の時点で挿入されるエピソードでもありませんし、今までの流れと比べても特にヒドイです。ミーアも好きなキャラという訳ではありませんでしたが(初期のアスラン周りの描写のキャピキャピしたのがどうも苦手です。)、珍しくきちんとしたキャラクターとして描かれていました。そういった「まともな」キャラクターがこうやって投げやりに殺されていくというのはなぁ。キャラクターが「生き物」ではなく「舞台装置」としてしか扱われてないような気がします。
今回もミーアの言動は割と理解できるものでした。「今まで頑張ってきたラクスは私」と思うのも至極当然ですし、対して「ニセモノ」であることの呵責に苦しむのも良く分かります。ただ、こういった錯乱した状況であったために双方から洗脳されたようにしか見えないのは、まさしく文芸の罪だと思います。
そういえばメイリンって何故出奔したのですか・・・。理由が全くわからないんですけれど。