ウルトラマンメビウス第05話「逆転のシュート」感想。

今回はイカルガさん、もといジョージにスポットが当てられたお話。「チームプレイが苦手な仲間が、紆余曲折を経てみんなと打ち解ける」という話自体は定番中の定番。序盤は一話ごとに各メンバーに一人ずつスポットを当てて、作中でのそれぞれの役割を明確に示すという手法も、ヒーローアニメや戦隊ものではよく見られる手法です。しかしながら、これまでのウルトラマンシリーズにおいては、"防衛隊"の隊員に対して、体系的にスポットが当てられることはあまりなかったように思います(個別エピソードで各隊員にスポットが当てられることはもちろんありますが、本作のように序盤に一度それぞれのイントロダクションを行うという構成意識は見られません。)。今までの防衛隊隊員が助演であり、作中でウルトラマン(変身前も含む)や怪獣との関わりの積み重ねを通じて、それぞれの特徴が間接的に示されていたのに対し、本作では準主役として扱われているのだなぁ、と思います。
加えて、旧作、というか初代ウルトラマン(現在十数年ぶりにレンタルで視聴中なのです。懐かしい。)では、本作と異なり、人間ドラマの展開よりも状況描写に重きが置かれているように感じます。こうすることにより、人間的テーマではなく、怪獣(もしくは自然災害や極限状況)の恐怖感や迫力、ウルトラマンの強さが重点的に描き出されています(かといって防衛隊の活躍が全くない、というわけでもないのですが、メインという印象は受けません。)。これは方向性の違いであり、どちらが良い悪いといった問題ではありませんが、本作の主役がウルトラマンと防衛隊であるのに対し、初代の主役は怪獣とウルトラマン(しかもウルトラマンよりも怪獣がメイン)なのだという差異を感じます。


今回のエピソードは定番中の定番ですので、言及すべきところはあまり多くありませんが、最終的にはミライの人間性でジョージを説得、というところが少し引っ掛かります。ミライはウルトラマンではありますが、GUYSの仲間です。しかしながら今回は(前回のコノミ説得もそうでしたが)、唐突に現れ、超然としてしまっているという印象を受けてしまいました。言い換えればミライ側の心情描写が不足していると申しましょうか。また、ジョージに三本目のシュートを外させた意図が良く判りません(意味自体は判りますが。)でした。


それでもってジョージとメビウスの活躍を描き出した後に新ウルトラマンが参戦。"実はサドラは二匹いた"という演出は結構好きですが、この新しいウルトラマンは圧倒的な力で二体のサドラを屠ります。目すら無く、今までのウルトラマンとは大きく異なる異形の戦士、一体何者なんだろう、と結構ワクワクしています。公式サイトによると"ハンターナイト・ツルギ"とされていますが、ウルトラマンではないのかなぁ。


今回の話全体を通して見ると、多少ちぐはぐな印象を受けてしまいました。前述のジョージvsミライもそうですし、ジョージ(とメビウス)が活躍したと思ったらすぐにツルギが登場したので、あまりジョージの面目躍如という感じにはならなかったのも理由です。
しかし、一旦GUYSが敗北したあとのサドラの食事音(?)、後半のオバサン(あまり適切な呼称ではありませんが、他に形容しようが無いので)の台詞などから察するに、やはり人を喰う音なのでしょうか。結構エグいなぁ。ちょうどそのシーンをビッグマック食べながら視聴しておりましたので、ちょっとキツかったです。