キン肉マンⅡ世 アルティメットマッスル2第01話「遺恨試合!万太郎VSヒカルド」感想。

原作の大ファンですので視聴。これまでのアニメ版Ⅱ世は無印の序盤のみしか視聴していませんが(実質的に視聴不可でした。)、基本的には原作と同じストーリーのようですので問題ありません。アルティメットの1の方では超人オリンピック・ザ・レザレクションの中途でいきなりオリジナル編に突入したそうですが、漫画原作作品のアニメオリジナルエピソードはなかなかに難しい。というよりも原作ファンにとってはどんな作品にせよ、アニメ化は鬼門かもしれませんね。原作どおりでは退屈ですし、原作から逸脱した展開も基本的には望まないですから。
本編の感想といっても、原作と基本的に変わらないので書きようが無いですねぇ。パニッシュメントXリングは原作ではびっしりトゲが張り巡らされた、まさに処刑の十字架といったものでしたが、地上波では流血は難しいためか、触れると高圧電流が流れるものに変更されています。そういえば、原作のパニッシュメントXリングは、タイガーマスクゴルゴダ・クロス・デスマッチのオマージュなのでしょうかねぇ。
しかし、アニメーションになるとギャグパートのくだらなさがより強調されてしまいますね。つい「くだらねぇ・・・」と呟いてしまいました。ゆでたまご先生の笑いどころは狙ったギャグではなく、例えば今回のパレードにおけるミーハーっぷりの勘違いや、ケビンの奇行を本気でカッコイイと思っている外しっぷり、伏線を忘れることにより大チョンボなどにあります。キン肉マンシリーズはそのような面が強調されがちですが、それだけではただの駄作。やはりキャラ造形などは本当に素晴らしいものがあります。特に陰のある悪役の描写は際立っているように感じられます。基本的に戦後には友情で正義超人の仲間入りをするものが多いですから、ウォーズマンバッファローマンのように、悪役であっても悲劇性を持っていたり、熱い心を持っていたりしてそのキャラ造形の奥深さは他に類を見ません。また、完全な悪たる(ゴールドマンを内包しているので完全とも言い切れないのですが)悪魔将軍の強大性も物凄いものがありました。最近の悪役で凄かったのは再生アシュラマン。あの容赦ない悲劇性、そのカタルシスこそ実はゆでたまご先生の真骨頂ではないかと思えます。元正義超人であれだけの悲劇が描写されたにもかかわらず、戦ったあとにも悪行超人に身をやっし、再び万太郎たちとの戦いを繰り返していく・・・。嗚呼、何というカタルシスでしょう。流石にあのシーンでの悪魔将軍の扱いは無いだろうとは思いましたが。実はゆでたまご先生ってその一般的なイメージとは異なり、梶原イズムを受け継いでいる作家の一人なんではないだろうかと思います。
そういった意味でヒカルドも悲劇の人、好きな超人の一人です。しかし、ヒカルドのエピソードでは必死に正義超人たろうとするヒカルドを、肝心の正義超人たちが悪行超人だと決め付けたように見えてなんだかなぁ、いかにゆでたまご先生といえども、かたや友情パワーで悪行超人を説得し、方や悪行超人の息子だからといって、血が正義たることを許さないという矛盾は許しがたいです。
全然アニメ版の感想ではありませんが、アニメ版、超人オリンピック・ザ・レザレクションのみで終了するのならば、決勝戦は原作と異なる結果になるのでしょうか。万太郎敗北で終了してもキリが悪い感がありますが。それとも、万太郎とケビンのダブルヒーロー体制なのでしょうか。オープニングとエンディングの映像はまさにそんな感じでありましたが。