最近視聴したものの一言ないし二言三言感想。

エウレカセブン:ここ最近は面白いです。チャールズとレイが死なねばならなかったことに関してのレントンの葛藤は、妥当といえると思います。以前のホランドの暴力による鬱とは異なり、今回は周りの人皆が"きちんと"行動した結果によってあのような状況に陥ってしまった。以前の場合は理不尽すぎてただ腹が立つだけでしたが、今回は本来の意味でのカタルシスにきちんと酔うことが出来ました。ただ、「これが出来るのならハナっからやれよ。」と思ったのも事実。以前との(あらゆる意味での)落差が非常に大きくなったことによって、ゲッコーステイトのメンバーのキャラ描写の違いに違和感が感じられます。まずホランドやらタルホ以外の構成員に関してですが、(意図があったにせよ)ホランドが暴力を振るっていた際に多少の諫言を行うに留まり、基本的には他人であると言うスタンスを崩していないように(傍目からは)見えた。それがレントンが家出に奔った最大の理由であるわけですし、チャールズ達との生活において"冷たい"ゲッコーステイトと"暖かい"チャールズ達との対比が成されていたように見えました。ゆえに今回のように、暖かく接する構成員たちについては「いけしゃあと」とまでは思いませんが、もうワンクッション、レントンとの関係性の変化について、フォローを入れるべきではなかったかなぁと思います。ホランドについてはよりそれが大きいわけで、「レントンが選ばれた」という事実が大きいにせよ、その落差は不自然さを感じるほどで、何を考えているかわからない(これはむしろ意図的なものかとも思われますが、個人的には好みではないです。)。エウレカはそもそもどんなキャラクターなのか良く分かりませんで。レントンに惹かれはじめていたのならば、何故レントンが家出する直接のきっかけになった会話が成されたのか、また、鬱展開時は非常に自己中心的に見えたのですが、現在は非常にしおらしいわけで、しかもそれらがたまに入り混じるので分からない。ま、それが少女というものだと言われれば、個人的経験の不足により反論できかねるところではあります(笑)。ホランドエウレカは個人的にちと無理かなぁ。タルホは割と描写が一貫していますから悪くないのですが。ほかの構成員はキャラ立ちがちと弱いかと。レントンというキャラクターは非常に良いです。私の感覚にとって非常に自然なキャラ造形が為されています。この作品が最初から一貫して優れていると思った点は基本的には終始レントンの主観視点が貫かれていること。ゆえに急転直下の展開において説明さえ為されれば、レントンを通して入ってきやすいです。それだけにゲッコーステイトの行動目的が今回説明されるまで一言も言及されなかったのがますます悔やまれます。詳細は伏せておいたとしても、一言早期に「エウレカを守るため」だの簡潔に言ってくれればこれまでの不快感も軽減されたのになぁ、と。これ以降ますます面白くなっていきそうな予感はあるのですが、以前のホランドエウレカが頭に引っかかって素直に楽しめない私がいます。この感想において「面白い」と申し上げているにもかかわらず、批判が多くなってしまっているのもその証左といえるかも。んー、なんか悔しいぞ(笑)。あと基本ベースとしての雰囲気が好みでないというのもあります。"俺らってカッコイイだろ"といわんばかりの勘違い感はどうも・・・。内容で気になった点としてはコーラリアンとはどのように定義されるのかということです。言い様によってはエウレカは人型である時点でコーラリアンとは異なるとも言える訳ですので、そこでエウレカコーラリアンとする理由、コーラリアンコーラリアンたらしめているのはなんなのかなぁ、と純粋に好奇心が沸きました。これもきちんと説明されるといいなぁ。戦闘パートはまぁ普通でしょうか。良い時は良いですし、イマイチなときはイマイチ。
アストロ球団:原作も平行して読んでいるのですが、ドラマ版においては原作の迫力が表現しきれていないような。しょうがないといえばしょうがないですね。溢れんばかりのB級感は意外と悪くないと思いますが、総じて微妙といわざるを得ないかも。
トゥハート2:自分は二次元のキャラクターだろうと実際の女性だろうとその存在に"萌え"る精神的位置にありません("キャラ萌え"しないと申し上げると分かりやすいでしょうか。ちなみに同性愛者ではないです。念のため。即物的なそれの限りにおいて、異性に対して完全に性欲を抱かないというわけではないです。)。ゆえに、恋愛においてお互いが好意を育てていく過程ならばその文芸を比較的楽しく見られるのですが(いわゆるラブコメでしょうか)、こういったはじめから主人公に対して好意を抱いているような手合いの作品は私にとって見るべきところがないです。もちろん私の好みじゃないというだけで、この手の作品を駄目なものだと断じて切って捨てるわけではありませんのでどうか誤解無い様にお願いできたらなぁと思います。なので本作が良いのか悪いのかはよく分からないんですが、今のところ前半は各話で各ヒロインを一人ずつクローズアップするというこの手のアニメーションの基本プロットに則っていますね。なお、守備範囲外の作品をわざわざ見た理由は"放送されていたから"という単純な理由だけです。
ARIA The ANIMATION:これのようにのんびりとした和めるアニメはかなり好きです。本作では文芸こそ凡庸なものの、この手の作品では凡庸な方が良いとさえ言えます。凡庸を中庸と言い換えた方が良いのかな。特筆すべきは作品全体の雰囲気。この独特の素敵な雰囲気が何によって形作られているのかと考えた際にまず思い当たるのが音楽でしょうか。私は音楽に関しては全く知識がないので"素敵だ"としか申し上げられないのですが。また、舞台が水を利用して設計された都市というのが素敵。日本で水郷都市といえば柳川などが有名ですが、私の故郷である広島も水の流れを意識した都市設計がなされています。太田川の三角州上に形成された都市ですから、古くから川を船で上ったり下ったりして交通や輸送がなされていたとか(小学校の郷土史の授業で習ったのですが、記憶が曖昧。)。広島の町を開いたのは安芸中納言こと毛利輝元(私が最も好きな歴史上の人物です。)。"広島城は水攻めに弱く守りづらい"と評され、羽柴秀吉の警戒を解くための移転であったとのエピソードが有名ですが、水攻めによらなければ攻め難いとも言えるように思います。安芸国内最大の平野であり、都市としての発展可能性を持ちながら海上交通を掌握でき、要害である。そこにあれほどの豪壮な城を建てたのは慧眼かと。ちなみに広島城の普請奉行は穂井田元清(毛利元就の四男)と二宮就辰(二宮春久の子であるが、毛利元就落胤とされる)。毛利輝元関ヶ原の敗戦によって評価が低くなっていますが、決して凡人ではないと思います。特に人身掌握や内政に関しては非常に優秀かと。毛利氏といえば海上交通を強く意識していた大名です。ルーツこそ中国山地内の吉田ですが、勢力を伸張していくにあたり瀬戸内の水軍の掌握に目をつけざるを得ない。ゆえに毛利元就は小早川氏を自家に取り込んだり、村上氏などの懐柔に腐心したわけです(村上氏といえば伊予の河野氏と関係が深いそうですが、この河野氏、調べてみてもよく実像が掴めませんでした。伊予国内最大の勢力でありながらそのものが水軍であり、他の大名・豪族とは趣を異にした勢力であるがゆえだと思うのですが興味深い。)。その系譜は輝元の世代にも受け継がれており、広島のほかにも、筑前を与えられた小早川隆景が築いた名島城(現在の福岡市内、東の外れの方です。関ヶ原後に黒田氏によって拠点が福岡に移され廃城となりました。現在は名島神社となっています。)なども水を上手く縄張りに取り入れています。滅茶苦茶脱線してしまいましたが、そんなわけで私は水と都市の関係性というものが大好きだったりします。
苺ましまろ:なかなかどうして面白かったです。独特の間が心地よい。"かわいいは正義"だそうですが、見ててなんか微笑ましいなぁ、と。美羽なんかは実際にいたら凄い迷惑そうですが、アニメーションにおいてはそこまで反感をを抱くことはありませんでした。美羽のギャグセンスと自分が求めていたギャグが非常に近かったので美羽を気に入ることが出来たのが良かったのかも。
ああっ!女神様:特にこれといった感想は抱けませんでした。どういった点に着目して視聴すればいいのかわかんないです。
BLOOD+:演出には非常に気が配られているように感じます。一挙一動が明らかな演出意図に基づいて表現されている感じ。ですが果たして文芸にはきちんと配慮されているのかなぁ。演出に意を傾けすぎて状況の進展が非常に遅いですし、それぞれの設定に状況の演出以上の意味があるとも現時点では考えづらい。展開そのものは非常に先読みしやすいです。また、血を媒介としてエロスを表現しようとする意図があるようにも感じられますが、前述のように私はエロスを感じない人なのであまり。んー、私は演出より文芸の方が好きな人間ですからあまり好みではないかも。
最終兵器彼女:各話感想を中途まで書かせていただいておりましたが、特異な作品で非常に書きづらかったため中止してしまいました。周辺設定を限界までオミットしてひたすら状況に苛められる男女のラブ・ストーリーを描くという手法は圧巻、というか普通は出来ません。戦っている理由そのものがオミットされていることにより、描きたいものが戦争の悲劇とかではなくラブ・ストーリーであるということが明確になっています(逆にラブ・ストーリー以外のものを描こうとしていたならば失敗だと思います。)。最終話直前までその容赦のない展開に圧倒されたのですが、それだけに最終話でよく分からないこと(敢えてこう申し上げさせていただきます)になってしまったのはちょっとガッカリ。結局OVA版はRKBでは放送されないのでしょうかねぇ。
灼眼のシャナ:フレッツスクウェアで配信されていたので一話だけ視聴。一話のみの視聴なのでなんとも申し上げられないのですが、割と普通のバトルものなのでしょうか。敵のデザインが妖怪っぽくて好きではなかったので二話以降は視聴せず。まぁ、最大の視聴中止理由は「フレッツスクウェアにつなぎかえるのが面倒だから」だったり。
ノエイン:こちらはバンダイチャンネルで無料配信されていたので一話のみ視聴。内容がよく理解できなかったので視聴を中止しました。
続いて視聴不可能なもので気になっているもの。
ガンソード:ロボットアニメらしいので観たいです。感想サイト様等で拝見する限りではいろいろと面白いことになっているみたいですし。レンタル化されているのかどうかとレンタルビデオ店に行くヒマがあるかというのが最大のポイント(笑)。
舞-乙HiME:最近前作をレンタルで視聴してなかなか面白かったので(終盤の鬱展開はなかなか上手かったように思いました。ラストのハッピーエンドも賛否両論ありますが、ベースとして学園ラブコメがある以上アレでいいのではと個人的には思ったり。)、続編(?)であるこちらも気になっています。中世西洋風ファンタジー的世界観は正直申し上げて嫌いなので多少心配ではありますが。こちらもレンタルが最大のポイント。
んー、全体的に見て悪くない作品はそこそこあるものの、(私にとって)低調である感は否めません。80年代のサンライズ系ロボットアニメのように私の心の琴線に触れてくれる作品が作られる土壌はもう無いのでしょうかねぇ。確かに流行が回帰してかつての流れがもう一度復帰する可能性はあります。ですが、その場合におけるリバイバルブームというのは以前のあり方と同じではない。スポ根物を例に挙げさせていただきますが、「エースをねらえ」や「アタックNo.1」、さらには「アストロ球団」までもがドラマ化され、再び盛り上がってきているように見えます。しかしその盛り上がり方というのは多分にギャグとして捉えるという側面を含んでいます。現代的価値観においてアストロ球団のように"野球で人が死ぬ"というのを"マジ"に捉えるという土壌は余りありません。これが作られた時代にはこういったものを本気で捉えてもらえるという土壌があったわけで、作る側も見る側もいわば自然に扱っていたと言えるのではないでしょうか。こういったものを本気で捉えづらい世代の中に組み込まれている私にとって、昔の状況は非常にうらやましく映ります。
そんな中で"癒し系"アニメというのが底堅いように思われます。こういったジャンルは文芸の面で王道に準じざるを得ませんから(良くも悪くも)時代に関係の無い普遍性を帯びているのでしょうかね。
自分の好きなジャンルはまずロボットアニメ、特に80年代のサンライズ系のもの。加えてのんびりとした和めるアニメ。漫画においては梶原一騎氏の作品群でしょうか。ってなわけで旧作や地方で非放映の作品などについてオススメの作品を教えていただけると本当に嬉しいです(特に旧作)。二言三言どころかありえない長文になってしまいました。アホか私。まともに改行してなくてごめんなさい。