創聖のアクエリオン第23話「翼、儚く」感想。

みどころの多い回でした。
強攻型アクエリオンvsケルビムマーズの戦闘は、これまでのアクエリオンの戦闘のイメージとは一線を画すものでした。今までの戦闘とイメージが違うということは、悪く言えば統一感がないということであり、そこまで質が高い、というわけではないと思うのですが、非常にスピード感があり、なかなか見ごたえがありました。
堕天使の翅を移植されたグレン、劇中ではシリウスも「仲間にすらこのようなことをする」と非難され、非人道的な行為として描かれていますが、人類を守るために自ら犠牲になるという、物語上肯定的に捉える見方を出来なくもない(名目上のことでしょうがグレンが"志願"したと言うことにされていましたし)というのは非常に興味深い描写です。また、フタバが人類に蹂躙されたことに憤る描写と、反面、人類に対しては、人類が堕天使を見るそれと同じように尊厳をもつ存在と思わないというのは、人間と堕天使が本質的には同じものでないのかと問いかける一方、人類と堕天使は相容れるものではない、という読み方も出来ます。演出意図が不明瞭というわけでなく、こうやって受け手の解釈を敢えてファジーにするというやり方には、これからの展開に期待を持たせられますし非常に感服するところです。
後半はシリウスについていきそうになるシルヴィアと、それを説得しようとするアポロ。ここには王道的な燃えがあります。夢を持たないと生きている甲斐が無い、という言葉にはホントに共感いたしました。また、アクエリオンエンジェルも良いです。デザインも好みですし、あえて「天使」の名を持ってくると言うのも奥深い。
今回はホントに楽しめました。