メダロット第34話「奥義! シャドウソード」感想。

やはり、こういった王道的なライバル関係というのはいいですね。天才肌の人間が人知れずライバルに勝つために特訓する・・・。巨人の星花形満などを思い浮かべてしまいますが、こういうのはスタイリッシュに取り繕っていても、激情がにじみ出てくるようで本当にゾクゾクします。むろん、本作は子供向けアニメですから、巨人の星ほど強烈には(それこそ悲劇になってしまいくらいには)壮烈に描かれているわけではないですが、それでもそうしたエッセンスが感じられていいなぁ。
かたやイッキとメタビーも背負うべきものはちゃんと背負っている。ライバル関係が一方的なものではなく、ちゃんとコウジのとどめ得ない熱情を真摯に受け止めています。巨人の星から連綿と受け継がれるところの、日本のヒーロー作品のライバル関係というのは、それの大元が前提としていた悲劇的エッセンスを、ヒロイズムに従属させつつも(元は悲劇性にヒロイズムが従属していましたが)、子供向けアニメや多少高年齢向けのアニメ、その他ジャンルを問わず、色々なところに散見されて、その体系性にただただ驚かされるばかりです。
しかし、クライマックスのメダロッターXの台詞はどうかなぁ、と。イッキとコウジを競わせて、お互いを高めあうというのは良いのですが、「戦術だ〜」云々によって、イッキの方が主目的で、コウジが噛ませ犬であるかのような印象を与えてしまいます。うーん、なんだかなぁ。