機動戦士ガンダムSEED DESTINY第43話「反撃の声」感想。

公共の電波で破綻した作品を放送するなんて、許せないじゃない。
土曜六時(五時半)のMBS枠、ゾイドウルトラマンなど私好みの作品を放送してくれていたので愛着があるんですけどねぇ。ウルトラマンといえば現在放映されているものは視聴していないのですが、懐かしの怪獣が登場すると耳にして気になっています。土曜の朝なんて起きるのがツライですが・・・。
えっと、真面目に見た場合、アスラン・ザラがホントにひどい人間に見えます。「お前は何を撃とうとしているのか分かっているのか」とか「お前がオーブを撃つな」って言ってもなぁ。ロゴスを撃って戦争を失くす、そのためには故郷さえも撃たなくちゃならないというシンの悲壮な決意を全く理解しようとしないのですか。わけの分からない直感で議長を悪と認定するのは100歩譲って良いとしても、シンの決意を全否定ですか、元上官のアスランが。訳の分からない理由で逃げ出してシンを苦しめておいて、妄言を吐いて自分を正当化した上にシンを間違っていると断言する。どういう演出意図なんだよこれは。自分たちの創り出したキャラクターにきちんと愛着を持たれていらっしゃるのですか、スタッフさん。
それと対立項が良く分かりません、事実だけを認識した場合、アークエンジェルやエターナルってジブリールを守っているだけですよね。ザフト側が信じるかどうかはともかく、形だけでもジブリールを探して捕えると通告できなかったのでしょうか。そもそもオーブを守りたいのならジブリールを捕えて突き出せば済む事です。事実のみを見れば彼らがロゴスに加担しているようにしか見えません。レイのアスランに対する物言いは正論にしか聞こえませんよ。
この作品のシナリオって正義のぶつかり合いでもなければ勧善懲悪でもないのですよね。監督さんが「戦争はファッションだ」と発言されているように、リアリティのある戦いをしようとしていない。本来アニメの中では真であるとして構築されているはずの世界観の中で、彼らは戦争ごっこをやっているに過ぎない(もちろん他の作品も外部から見ると戦争ごっこなのですが、少なくとも作品世界の中では本当に戦争をしているように描写されている)。言ってみればAAがベビーで、ザフトやロゴスがヒールとして作品世界中でもブックが与えられているに過ぎないのです。しかもヒール側に演劇の上手い人間が揃っている。というかブック書きが塩漬けな為にベビーを無条件にプッシュしすぎて逆にベビー側の魅力が薄くなっています。プロレスの場合は現実世界の中でベビーとヒールの対立項は完全に虚構であると分かっていますし、予定調和であると誰もが理解しているのに加え、あくまでそのメインは試合ですから、こうしたチープな相手をたいした根拠無く否定したり、演出で片方を一方的に悪だと描写するような対立項でも十分楽しめるのですが、アニメ作品においてはその作品世界の中ではお互いがガチで戦っている(本来は)。その中で対立項は作品世界を左右するものですから、根拠の無い相手側の否定は成立し得ないのです。メカアクションがメインであるのも事実ですが、シナリオも同様にメイン。本作はシナリオが塩なんでメカアクションに目が向きません。インパルスなどはカッコイイと思いますが、やはりシナリオが破綻していなかった序盤の印象が強いです。
ベビーとヒールといえば、新日本の対立項はころころ変わりますしいささか分かりにくいですね。蝶野選手率いる大きな黒い軍団がCTUやチームJAPANを内包していると考えていいのでしょうか。G1,残念ながら中西選手は決勝に進出できませんでした。新日ヘビーでは最も応援している選手なので頑張っていただきたいです。
自分の好きなものと結びつけて視聴すると多少は楽しめるかも、と思って視聴しましたが、やはり無理そうです。共通点が多いことは多いんですけどね、プロレスとロボットアニメ。だから私のようにどちらも好きだという人が結構いるのだと思います。
追記、カガリの演説の途中でミーアによる電波ジャックが敢行されましたが、カガリは何を言おうとしていたのでしょうか、私にはスタッフさんも何を言わせるか思いつかず、やむなくあそこで切ったようにしか見えませんでしたが。それとユウナがあたかも小悪党であるかのように犬死させられましたが(酷い殺し方でした)、ウナトはどうなったのですか。